今を生きる

 ここ数カ月、『今』という言葉がやけに耳や目に付く。人生は『今』しかない。佛教的考えから来たものであろうが、人は理屈では分かったつもりでも、ふと気付くと過去(後悔)や未来(不安)に思いが馳せている。日曜の新聞で著名人が愛読書を紹介している。ひと月ほど前は、ジャズやフュージョンのギタリストである渡辺香津美氏が紹介していた『シッタールタ』ヘルマン・ヘッツセ著(高橋健二訳)であった。 買い求めて読んでみると、主人公が川から学ぶストーリーであるが、少し古い言葉使いで分かりにくい文章でもあった。

 

 私なりの解釈は、空に浮かぶ雲が固まりを作り雨となり、山肌や地中に流れ多くの支流から川となり、数本の川が合流して大河になる。そして大海へと注ぎ、太陽に熱せられて水蒸気となり、また雲になる。ということは、その部分部分のどこを切り取っても『今』である。これを人生に例えるなら、『今』の連続が自分を創っていると捉えてよいのであろう。つまり過去も未来も今の連続である。そう考えると、地球に生きる人間の『今』の考えや行動が歴史を創り出している。

 

 1人ひとりが思いやりのある楽しい『今』を生きれば、自分の環境も地球の環境も良くなるだろうな・・・

 

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