プロとアマ

  写真を選び、文章に取り掛かろうとする21日の草稿の段階から、三日が過ぎてしまった。実は夏も近いというのに、二年振りに風邪をひき、文章を書く気力が失せていたのだ。新年度そうそう仕事に大きな変化があり、目に見えない疲れから、免疫力が低下していたのだろうか?しかし、考え方しだいでは、病気もまた人生を見直す良い機会にもなるものだ(風邪ぐらいで大げさな・・・笑)

 

 ゴッホ展の期間中に京都市美術館に行ってきた。驚いたことに彼が絵を専門に生きたのは、二十代後半から三十代後半に没する十年ほどだったことである。それまでは、絵の教師で生計を立てていたようだが、何が彼を突き動かしたのか、絵のみの人生に徹したのだ。やはり作品の一つひとつが、こちらの魂に迫ってくる。これを『プロ』と呼ぶのであろう。

 

 その数日後、私が懇意にしている音楽療法士仲間の一人が主宰する、中高年の方々の発表会(ライブハウスでの)で、マイクやスタンドなどをタイミングよく出す裏方の手伝いをしてきた。音楽療法士仲間を中心とした生バンドで、其々の方々が歌や振りや衣装を楽しみ、終始なごやかに盛り上がった。その中のおひとり、七十代と思われる女性の唄われる歌がとても心に響き、思わず舞台袖からその姿に見入ったのである。どうも重篤な御病気のようであるのだが、明るく語られ、その思い出の曲を唄われる姿は、『アマ』を超越して人々を感動させたと思う。

 

 そう考えると、プロとアマの差は何であろうか・・・?

それで生計を立てるということではなく、如何にその作品に『命』を吹き込めるかではなかろうかと、風邪ですっきりしない身体で感じた、この数日だった・・・

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