豊かさとは

 昨日の朝、何気にNHKのEテレにチャンネルを合わすと、『日曜美術館』という番組をやっていた。取り上げられていたのは『不染鉄(ふせん てつ)』という日本画家で、

その名を初めて耳にした。

 

画面に映るその作品の数々に何故か心を奪われた。理屈では説明できないのだが、氏が「芸術はすべて心である。芸術修行とは心をみがく事である」「いい人になりたい」と遺した言葉にそれが表れているのかも知れない・・・

 

そして今日、私にも画家の知人がいたことを思い出した。

二十代前半だったと思うが、学生アルバイトで珈琲専門店で仕事を始め、卒業後にそのまま修行に入ったときだった。たしか私と同じ齢の男がアルバイトを始めた。その男は画家で芸大を出て店の近くのアパートに住みながら画を描いていた。

          凍える寒さの2月半ばの琵琶湖

 

美術にも興味のある私は同じ齢ということもあり、意気投合して2度ほどだったか、そのアパートに訪問して作品を見せて貰った。その後、彼は1年ほどで店を辞め、ヨーロッパ(の何処だったか忘れたが)に留学し、何度か手紙のやり取りをした記憶が蘇った。たしか現地の女性と結婚したところまでは文通したような気がする・・・

 

そして、インターネットの現代! その姓名を入力して検索してみると! ジャーン!出て来た!名前と共に作品の写真が!

「そうだ!あのアパートで鑑賞した作風だ!間違いない!!」

 

あれから、40年近くになるが、続けているのだ!描いているのだ!売れている画家かは知らないが、とにかく嬉しく感動し、同じ世代の知人が懸命に創作活動を続けていることで、生きる励みになった・・・

 

 

 

 

 

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